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9/1 伊豆海洋公園LOG - isLIFE DIVING
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9/1 伊豆海洋公園LOG

9/1 伊豆海洋公園LOG

9/1 伊豆海洋公園LOG
海況穏やか
透明度8m
水温19〜26度

こんにちは!イズライフの幸成です!
本日は伊豆海洋公園で元気にダイビング!
ちょっぴり深場ダイブとエンリッチでのんびりダイブの2本立てで味付けを変えて楽しんできました!

今日もたくさんの面白い出会いがありましたが僕がとっても気になっていたのはこれ!
お客様写真をご紹介しながら解説してみたいと思います!
日頃ブログをご覧いただいている方はご存知かもしれませんが僕は
要点をかいつまんで簡潔に伝える、と言う能力が欠如しています。
ガイドとしては致命的な弱点ですが、それも愛嬌だと思ってお付き合いください!多分今日も長くなります!

キンセンイチモチの産卵前行動

ご存知の方も多いと思いますが、こちらのキンセンイシモチを含むテンジクダイの仲間は口内保育をする事で知られたお魚。
メスが産んだ卵をオスが口でキャッチし、その後オスは一週間前後飲まず食わずで口の中で守るという同じ男として
リスペクトせざるを得ない愛に溢れた生態行動を取ります。

今日も卵の受け渡しをしそうなペアを発見ししばし観察。
そこで僕は様々な疑問を感じることとなりました。

疑問
どちらの個体も卵を産む前のようにお腹がパンパン

アゴが膨らんでる個体はオスである可能性が高いのですが産卵前のメスのようにお腹もボッテリしています。
しかもすでに口内保育中のオスをメスが追い回すなどあるのでしょうか?

この結果、僕の中でこのペアの雌雄の判断がつかなくなってしまいました。

ただ一つ可能性として考えられたのは、オスは口内保育している卵をなんと食べてしまう事があるのです!
これは同じ男の片隅にも置けません!
しかしこの行動は「自分の遺伝子を少しでも多く残す」と言う生物としての本能として、実は理に叶う場合もあるのです。
フィリアル・カニバリズムと言って、いわゆる子食いをする魚種は他にもいて
1回の子育てに生命力を使い果たして自分が死ぬくらいなら、子供を食べてでも自分が生き残り
2度、3度と次の子孫繁栄に備えた方が有益だという考え方です。
魚に限らず自然界に生きる全ての生物は非常にリアリストで感情を挟まない効率的な生き方をします。
そこがきっと厳しくも美しい、僕たちを惹きつける魅力でもありますよね。

そこから考えられるのは、後ろを泳いでいるのはハッチアウト前に次の産卵チャンスが来たから今加えていた卵を食べ満腹。
お腹はパンパン、さあ次の卵をよこしなさい!
と言うオスである可能性です。
それならアゴはシャープでお腹はパンパン。
一応オスである説明はつく?のです。

そこで次の疑問が生まれます。
ではなぜ前を泳いでいる個体はアゴもパンパンなの?
これから産む卵が多すぎてアゴまで膨らんじゃってるメスなの?
それともやっぱり口内保育中のオスなの?
それなら後ろで追いかけているオスと思われる個体は間違えてオスを追いかけてるの?
それともやっぱりメスなの?
特殊な趣味をお持ちのお方なの?

膨らんだ口の中に卵が見えれば少なくとも前にいる個体の性別は判断出来るのですが、
口を開けるような仕草はせず肉眼では卵は確認できず思考は迷宮入り。

それでもぐるぐると産卵前のダンスを踊るような行動を繰り返し、答えがわかるかと思いましたがひたすらそのままでタイムアウト。

けどやっぱり気になって、お店に帰ってから文献やネットでの情報を読んだりお写真を拡大して確かめてみたところ。。
僕なりに一つの結論が出ました。

答えを出してくれたのはこの写真。拡大してよくみてみると、、、

前を泳ぐ個体の口の中に、肉眼ではわからなかったピンク色の卵が少し写っていたのです!
と言うことは!
少なくとも前を泳ぐのはオスである事が断定できそうです。
抱卵メスなみにお腹が膨らんでいるのは1サイクル前の卵を食べたからでありその直後に別のメスの卵を受け取ったと思われる。

残る疑問は後ろにいるお腹パンパン個体の正体。
パターン1
後ろにいるのもオスでお腹が膨らんだ個体をメスと勘違いし産卵を促している(だとするとこの個体もお腹の膨らみ具合から子食いをした直後である)
パターン2
すでに口内保育中のオスを追いかけ回すメスである

パターン1の可能性はあまりなさそうですよね。
僕らにわからないフェロモンや匂いなど、性別を判断する材料は見た目以上にたくさんあるはずです。

ブログ書いてて僕も混乱してきました笑
ここで僕なりの結論を書きます。

まず前にいるにはオスと断定。
メスなみにお腹が膨らんでいるのは子食いをしたからである。
そしてその直後違うメスから卵を受け取った。

そして後ろにいるのは産卵したくてたまらないメス。
すでにお腹も口もパンパンで受け取る余裕の無いオスを追いかけ回している!
と言う結論です。

実際、テンジクダイの仲間の生態として
オスが一度受け取った卵を孵化させるのにかかる日数は水温にも左右されるが5〜14日
メスが産卵後に次の卵を成熟させるのは最短4日
と言うデータがあります。

そのサイクルの結果として、羨ましいことにペアを欲するメスが余ると言う状況が出来るのだそうです。

めっちゃシンプルに言うと、もういっぱいいっぱいのオスをひたすらメスが追い回している
と言うことだと思います。
どうやら僕は中途半端な知識を持っていたせいでいらないことまで考えだしてドツボにハマってしまったようです。

けど、この知的好奇心が湧く瞬間、満たされる瞬間がたまらなく楽しいんですよね。
おかげで勉強しなおせて結果満足です。蓋開けてみたら大したことない内容を長々とすいません!

果たしてどうなるこのカップル

タマピイも発見

同じ場所に2タマシイ3オルトマンがついてました!

イトヒキコハクハナダイ
キシマハナダイ
ベニハナダイ
トサヤッコ
クリーニングされるクエ

見てわかる通りキンセンイシモチの話で燃え尽きました笑
他の写真も素敵なんでじっくりご覧ください!

今日も駄文をここまで読んでいただき感謝です!
次こそ短く簡潔に!を心がけます!

それでは本日もご参加頂き、素敵なお写真ありがとうございました!!

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🌟今後のリクエスト・イベント・遠征情報⭐️

🈵8/23〜28(土〜木)奄美大島出張ガイドのため伊豆でのご案内が出来ません。

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8/30(土)🈵満席です。
この日は富戸が20時まで通しでオープン!
朝から晩までMAX5本!?サンセットで生態観察からナイトで浮遊系までガッツリ富戸を楽しんじゃいましょー!

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9/6(土)🈳ご予約可能です。
ビーチとは思えないダイナミックな地形と富戸とは少し違う外洋感!
ほんのお隣ですがガラッと雰囲気が変わりますよー!

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富戸の海は冬が本当に美しい!冬季限定ポイント「ヨコイソ沖」で盛り盛りソフトコーラル撮影と、
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上記イベント・遠征にご興味ある方はぜひお問い合わせ下さい。
皆様のご予約心よりお待ちしております!

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木村 幸成
KOSEI KIMURA

千葉県船橋市出身。専門学校卒業後、東京のダイビングスクールに13年勤務し伊豆をメインにインストラクターとして活動。その後3年間沖縄本島、愛媛県愛南で現地ガイド経験を積む。その中でも長く通った伊豆の豊かな海と生物多様性、日々移り変わる美しい水中の季節に惚れ込み2025年、伊豆を拠点にしたダイビングショップの開業を決意。インストラクター時代に培ったダイビングスキルの向上方法や伝える力に自信があります。また、僕自身水中撮影が大好きなのでお客様がじっくりのんびり、納得行くまでダイビングや水中撮影を楽しめるお店にしたいなと思っています。